集合論およびその周辺分野のゆるセミナー

このセミナーは集合論やその周辺分野について、勉強したことや、まだ研究の芽段階の話題を共有する場として作られました。 研究したことを発表する場はKobe Set Theory Seminarや早稲田セミナーがありますが、もっとゆるい場を想定しています。

このセミナーはオンラインで開催しています。

参加を希望される方は後藤 (202x603x (at) stu (dot) kobe-u (dot) ac (dot) jp )まで連絡をください。

第6回

発表者
後藤 達哉
日時
2025年1月9日 午後5時 JST
タイトル
DaviesとRogersによる奇妙なHausdorff測度の構成とその基数不変量
アブストラクト
DaviesとRogersは距離空間とゲージ関数の組でそのHausdorff測度が奇妙な性質を満たすものを構成しました。全体集合の測度は∞ですが、測度が有限かつ正な部分集合は存在しないようなものです。本発表ではこれの構成を紹介し、これの基数不変量を考察します。
前提知識
集合論と測度論の初歩的なこと

第5回

発表者
安田 泰智
日時
2024年12月5日 午後5時 JST
タイトル
Descriptive set theory and Determinacy beyond P(R)
アブストラクト
カントール、ボレル、ルベーグなどの研究から始まった記述集合論は実数の集合を研究する数学の一分野であり、解析学、位相空間論、モデル理論、集合論など多岐に渡る分野で研究されている。 記述集合論にはおける重要な概念の一つとして決定性がある。決定性は実数の集合の“良い”性質の究極系である。 様々な実数の集合のクラスに対する決定性は特に集合論で盛んに研究されており、1990年代から現在にかけて決定性が巨大基数を含む集合論のモデルと密接な関係にあることが分かってきている。 2020年以降、Grigor Sargsyanをはじめとして、P(R)を超えた構造を持つ決定性のモデルの研究が進み始めた。今回の講演では特に実数の集合の集合に対する決定性に関するBlue—Sargsyan(2024)や発表者の研究の紹介やそれらの研究の背景を説明する。
前提知識
なるべく内部モデル理論や決定性をやってない人でも話に内容が伝わるように話そうと思います。強制法や記述集合論の基本的な部分を知っていると聞きやすいようにします。

第4回

発表者
丹野 俊将
日時
2024年11月21日 午後5時 JST
タイトル
Solovayモデルにおける有向集合の分類
アブストラクト
有向集合に関して, ZFCの下ではcofinal typeの比較においてTukey関係(Tukey写像の存在)が重要な役割を持つ. 今回の発表ではTukey関係をZFに一般化したpre-Tukey関係を導入し, 特にSolovayモデルにおいていくつかの有向集合の間のpre-Tukey関係を調べる.
前提知識
強制法の基本的な知識

第3回

発表者
藤田 博司
日時
2024年11月7日 午後5時 JST
タイトル
Solovayのモデルにおけるalmost disjoint family
アブストラクト
ルベーグ可測性に関するSolovayのモデルについて手短に振り返ったあと、SolovayのモデルにおいてMAD族が存在しないというTörnquistの証明を紹介します。
前提知識
強制法の基本的な定義と性質

第2回

発表者
後藤 達哉
日時
2024年10月24日 午後5時 JST
タイトル
ぽしゃった測度計算
アブストラクト
カントール空間からカントール空間への連続関数の空間に自然に測度を入れ、その性質を一つ見ます。これは発表者の研究で使えるかと思って調べたのですが、結局欲しかったもう一つの性質が成り立たないことが分かったため、ここで供養します。
前提知識
カントール空間やルベーグ測度の基本的なこと

第1回

発表者
安田 泰智
日時
2024年10月3日 午後5時 JST
タイトル
0=1とは?Kunenのinconsistency theoremとその発展
アブストラクト
Kunenのinconsistency theoremを示した後、その後の発展についてWoodinやGoldbergの仕事を紹介します。
前提知識
初等埋め込みの定義、定常集合の定義、HODの定義、Solovayのstationary partition theorem

情報

作成者:後藤達哉、作成日:2024年9月25日、最終更新:2024年12月3日